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児童労働を学ぶブログシリーズ【Child to Read】第五回:児童労働と社会とのつながり ~インドの現場から~

執筆:大川聖也

 

RagPicking(廃棄物回収)をする子どもたち

 

現在当法人エイド・フォー・チャイルド・トラストが活動するインド、ウッタルプラデシュ州ノイダ、セクター16では、子どもたちが路上に落ちているペットボトルを拾う、いわゆるRagPickingをして働いている子どもが多くいます。

 

このRagpickingは、排水溝や汚水からとることがあり、ごみの中には金属破片やガラスがあり、常に感染症や怪我と隣り合わせです。また、炎天下で働き、交通事故にあうリスクもあります。そんな状況下で、貧困層の子どもたちは働いています。

 

インドの都市部では、多くの貧困層の人々がこのRagPickingに従事しており、

インドの長距離列車でも、子どもたちがペットボトルを回収する光景があります。列車が駅に到着し、次の乗客を待つ間、車両に誰もいなくなるわずかな間に、乗客たちが残したペットボトルを回収するのです。

 

推定によると、インドでは、一般のごみ廃棄の総量の75から80%しか、自治体で回収されておらず、その他はRagPickerをはじめとしたインフォーマルセクター※2による人々によって成り立っています。※1

※2 インフォーマルセクターとは「インフォーマルセクター(INFORMAL SECTOR: 非公式部門)は、法人格のない企業を総称する用語。つまり、生産や雇用といった経済活動を行っているものの、法的な手続きを行っていない企業(活動)」を指します。

彼らの日収は、12から14時間働いて、300ルピー(およそ500円)です。スラムには、賃貸費用などは払わずに済んでいるケースが多いですが、それでも生きていくのにやっとのお金で生活しています。

 

回収されたペットボトルは、再生産される

インドでは、このRagPickingによる児童労働がいたるところで見られます。そして、子どもたちから回収されたペットボトルは、廃棄物回収のサプライチェーンに乗り、洋服や、再度ペットボトルなどの原料にされて、私たち全員に消費されていきます。

 

ペットボトルは、どう再生産される?

ここで、拾われたペットボトルがどのように次の製品の原材料になるのか、見てみましょう。

動画でわかる通り、細かく砕かれたペットボトルは、熱で引き延ばされ、最終的には繊維状にされて、ポリエステル繊維となります。これが、洋服の原料となります。

 

なぜリサイクルが必要なのか?

なぜペットボトルは、ここまでコストをかけてリサイクルが必要なのでしょうか。それは、ペットボトルの原料が石油からできているからです。石油は、有限な資源で、高価なため、リサイクルで再度ペットボトルやポリエステル繊維を作る必要があるのです。

 

衣服だけでなく、鞄、カーペット、カーテン、布団等多くのものに利用されています。※4

膨大な量のポリエステルが消費されているため、リサイクルが必要なのです。

 

児童労働問題がより身近に感じられるのでは?

このように、私たちは、洋服や飲み物という、日常生活で避けては通れないもので児童労働とつながっています。インドだけでなく、他の国でも、子どもたちが集めたペットボトルを通して作られた洋服等を、私たちは普段来ているかもしれません。

 

不平等は仕方がないもの、他国の状況は関係ない、と言えばそれまでですが、やはり問題を身近に感じる事、解決しようと意識を持つ事が、よりよい世界の実現に向けて必要なのではないでしょうか。

 

今回の記事を通して、自分たちも児童労働とつながっている、という事を感じてもらえれば幸いです。

 

 

 

参考文献

1. India Spend, Why Ragpickers, Unrecognized and Unpaid, Are Critical For Waste Management in India, 12 May 2017

2021年6月11日アクセスhttps://www.indiaspend.com/why-ragpickers-unrecognised-and-unpaid-are-critical-for-waste-management-in-india-43164/

2. THE POVERTIST, 開発途上国のインフォーマルセクター、経済、雇用に関する経済用語, 2017年4月30日掲載、2021年6月11日アクセス

開発途上国のインフォーマルセクター・経済・雇用に関する用語解説

3. 中学生、高校生、市民のための環境リサイクル学習ホームページ、帝人フロンティアのリサイクルポリエステル繊維とバイオ由来ボリエステル繊維、一般社団法人産業環境管理協会、2021年6月11日アクセス

http://www.cjc.or.jp/school/d/d-1-7.html