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最悪の形態の児童労働と有害で危険な仕事

Featured Photo taken by ILO Asia-Pacific, "Afganistan Brick Kiln Children". Available on Frickr.

執筆:大川聖也
 

最悪の形態の児童労働 Worst Form of Child Labour

世界には現代も、債務奴隷、性的な奴隷、少年兵、強制的な物乞いとして搾取されている子どもたちが大勢いる

最悪の形態として、子どもが力がなく従順で立場が弱いことを利用して、半ば強制的に働く事を余儀なくされている子どもたちが多く存在します。

国際労働機関によると(※1)最悪の形態の児童労働とは

・児童の売買、人身売買、債務拘束、売人、強制労働、武力紛争に使用するための児童の強制的または強制的な勧誘を含む強制的または強制的な労働など、あらゆる形態の奴隷制または奴隷制に類似した慣行

・売春、ポルノ制作、ポルノパフォーマンスのための児童の使用、調達、提供

・違法行為、特に関連する国際条約で定義されている麻薬の生産と人身売買のための児童の使用、調達または提供。

・その性質や実施される状況によって、児童の健康、安全、道徳を害する可能性がある仕事。

です。

危険な仕事に従事していたり、債務労働者、性的に搾取されている子ども、少年兵等があげれます。また、ストリートチルドレンが利用され、集団的に物乞いをさせられるケースもあります。(※2)

その背景には、性的搾取を目的とした人身売買や戦争、親の債務で子どもが債務労働者となる、貧困等の背景があります。

当団体の活動地であるインドで有害なごみ拾いに従事している子どもたちは、一様に親に従順な子どもたちでした。有害な仕事で尊厳がない仕事の為、大人はしません。何も知らないからこそ子どもたちが利用されている現場がインドの都市部にはまだたくさんあります。

 

最悪な形態の児童労働に従事している子どもの数は?

過半数以上の児童労働者が、最悪な形態の児童労働に従事している

国際労働機関によると、(※3)2012年時点では、正確な数値は出ないものの、推定として8500万人が最悪の形態の児童労働に従事しています。2012年の児童労働を行う子どもの推定人数が1億6800万人であるため、児童労働に従事している子どもの過半数以上が最悪の形態の児童労働に従事しているという事になります。

 

有害で危険な児童労働(Hazardous child labor)

有害で危険な児童労働は、最悪な形態の児童労働の最大のカテゴリーである

有害で危険な仕事(Hazardous work)は、最悪な形態の児童労働の中でも、一番大きなカテゴリーになっています。(※4)

バーミンガム大学William Robert Avisによると、2003年時に最悪の形態の児童労働に従事している児童労働者の数1億7890万人のうち、1億7050万人が、このHazardous workをしています。(※5)

実に9割以上がこのカテゴリーで占められ、上記に挙げたように2012年時点で最悪な形態の児童労働に従事している児童労働者の数は減っているものの、依然としてHazardous workが最悪な形態の児童労働の中で一番大きな割合を占めていると思われます。

国際労働機関によると(※6)、Hazardous workとは、非衛生的、長時間労働等の劣悪な労働条件で、怪我をしたり、病気になったり、最悪の場合死に至るような仕事と定義されています。

農業、漁業、鉱業、建設、製造、サービス業、家庭サービスなど多様なセクターで発生しているといわれています。

漁業や農業で有害な薬品を扱ったり、鉱山で命の危険がある仕事に従事していたり、肉体労働で長時間炎天下で仕事をしたり、家事使用人として重い貨物を運んだり、住み込みで働いているにもかかわらず、十分な食事や住まいが与えられなかったり、夜間長時間仕事をしたりする仕事です。

当団体の活動している地域では、路上に落ちているペットボトルを拾ってごみ拾いをしている子どもたちが多くいますが、多くが14歳以下であるにも関わらず、Hazardousな仕事をしています。

 

具体的なケーススタディ

当団体の活動地域であるインド、ウッタルプラデシュ州ノイダでもHazardous workを行う子どもたちが多くいます。

具体的には、Ragpickerと呼ばれ、町に落ちているペットボトルやスクラップ品を回収して、換金する子どもたちが多くいます。

彼らのほとんどは幼い年齢に子どもで、自分の意思に反して働いています。親から働くよう言われているからです。彼らは概して長時間、夜中も含めて働きます。具体的な子どものケースは、今後の投稿で詳細に紹介します。

 

今回の投稿では、児童労働とは何かについて紹介してきました。次回は、児童労働の原因、および児童労働が引き起こす結果についての記事を投稿します。

  <参考文献>

※1 ILO, “What is Child Labour”, Geneva: ILO, https://www.ilo.org/ipec/facts/lang--en/index.htm (参照 2020-10-30) 

 ※2 ILO, “Worst Forms of Child Labour”, Geneva: ILO, https://www.ilo.org/ipec/Campaignandadvocacy/Youthinaction/C182-Youth-orientated/worstforms/lang--en/index.htm (参照 2020-10-31) 

 ※3. Avis, W. (2017). Data on the prevalence of the worst forms of child labour. K4D Helpdesk Report. Brighton, UK: Institute of Development Studies. http://www.gsdrc.org/wp-content/uploads/2017/04/101-Worst-forms-of-child-labour.pdf (参照 2020-10-31) 

※4. ILO, “Hazardous Child Labour”, Geneva: ILO https://www.ilo.org/asia/WCMS_224118/lang--en/index.htm (参照2020-10-30)  

※5. Avis, W. (2017). Data on the prevalence of the worst forms of child labour. K4D Helpdesk Report. Brighton, UK: Institute of Development Studies. http://www.gsdrc.org/wp-content/uploads/2017/04/101-Worst-forms-of-child-labour.pdf (参照 2020-10-31) 

※6. ILO, ”Hazardous Child Labour”, Geneva: ILO, https://www.ilo.org/ipec/facts/WorstFormsofChildLabour/Hazardouschildlabour/lang--en/index.htm  (参照 2020-11-5)